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宇都宮ライトレール

宇都宮ライトレール(宇都宮LRT)は栃木県宇都宮市と芳賀町を結ぶLRT(路面電車)です。「ライトライン」という愛称も付けられています。

JR宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地を結び、2023年8月26日に開業しました。

さらに、宇都宮西口から東武宇都宮駅を経て教育会館前までの延伸計画もあります。

宇都宮ライトレールの概要

宇都宮ライトレール(ライトライン)は、宇都宮市と芳賀町に敷設される予定のLRTです。全体整備区間として、宇都宮市中心部西側の桜通り十文字交差点~JR宇都宮駅~宇都宮テクノポリス~芳賀・高根沢工業団地までの約18kmが計画されています。

上下分離方式を採用し、宇都宮市・芳賀町が設備を保有し、株式会社宇都宮ライトレールが運行を行います。

優先整備区間として、JR宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地の約14.6kmが2023年8月に開業しました。自動車道路との併用区間が約9.4km、鉄道車両のみが走行する専用区間が約5.1kmで、停留所は合計19箇所です。

走行するのは低床式車両(LRV)で、3車体連接、全長約30メートル、定員が155人です。最高速度40km/hで運行され、全線の所要時間は、開業当初は約50分ですが、約44分(快速運行の場合、約37分~38分)に短縮する予定です。

当初計画時の運転間隔はピーク時が6分間隔(毎時10本)、オフピーク時が10分間隔(毎時6本)です。運賃は、初乗り150円~400円となっています。

画像:宇都宮市

JR宇都宮駅西口方面の延伸計画も検討されています。現在の計画では、高架でJR東北本線を越えて、宇都宮市中心部西側の教育会館前まで、約5kmを延伸する計画です。JR宇都宮駅西口から教育会館前まで、12箇所の停留所が計画されています。ただし、停留所の最終的な配置は未決定です。

画像:宇都宮LRTパンフレット

画像:宇都宮市議会資料「芳賀・宇都宮LRT事業について」

宇都宮ライトレールの沿革

宇都宮市では、東西の公共交通機関がバスしかなく、渋滞により定時性が確保できないなどの課題がありました。これを克服するため、新交通システムとしてLRT導入が検討され、2007年度に事業化に向けた本格的な調査が行われました。

導入に関しては賛否両論ありましたが、2013年3月、宇都宮市の「東西基幹公共交通の実現に向けた基本方針」で、LRT導入の方針が正式に示されました。

LRTの事業化に向けて詳細検討を行うため、「芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会」が設置されました。2015年11月には第三セクターの宇都宮ライトレール株式会社が設立され、事業が本格的にスタートします。

2016年に軌道法の特許を申請し、2016年9月に認可。2017年9月に工事認可を申請、2018年3月に着工しています。開業予定は2022年3月とされましたが、遅れる見込みとなり、2022年8月に「2023年8月開業予定」と発表されました。

2023年6月2日に、開業日が2023年8月26日と正式発表。予定通り開業しました。

概算事業費は458億円でしたが、最終的に684億円となりました。

第1期にあたる優先事業区間の実現が見通せることになったことから、宇都宮市では、宇都宮駅西口方面への延伸事業に着手。

2022年8月22日の第34回芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会では「JR宇都宮駅東口停留場~宝木町1丁目・駒生1丁目付近(教育会館付近)」までの約5kmを整備区間と設定することを明らかにしました。

2024年に特許申請、2026年工事着手、2030年代前半の開業を目指すとしました。

2024年2月1日の宇都宮市議会にて公表した資料では、宇都宮駅東口~教育会館までに12箇所の停留所を設置する「イメージ」を公表。2025年度に軌道事業の特許申請するスケジュールとしています。

宇都宮ライトレールデータ

宇都宮ライトレールデータ(優先整備区間)
営業事業者 宇都宮ライトレール
整備事業者 宇都宮市、芳賀町
路線名 宇都宮ライトレール線
区間・駅 宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地
距離 14.6km
種別 軌道事業
種類 軌道
軌間 1067mm
電化方式 750V
単線・複線 複線
開業予定時期 2023年8月
備考 --
宇都宮ライトレールデータ(駅西側延伸区間)
営業事業者 宇都宮ライトレール
整備事業者 宇都宮市
路線名 宇都宮ライトレール線
区間・駅 教育会館前~宇都宮駅西口~宇都宮駅東口
距離 5km
種別 軌道事業
種類 軌道
軌間 1067mm
電化方式 750V
単線・複線 複線
開業予定時期 2030年代半ば
備考 --

宇都宮ライトレールの今後の見通し

宇都宮市内にLRTを敷設する構想は、1990年代から持ち上がっていました。2023年の開業により、四半世紀の時を経て、その構想が実現しました。

今後は、JR宇都宮駅西口を経て、栃木県教育会館付近までの延伸が計画されています。2026年度に着工し、2030年度前半の開業を目指します。開業済区間の利用状況が良好なため、西口への延伸に対する反対の声は小さく、順調に実現する可能性が高そうです。

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