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熊本空港アクセス鉄道

熊本空港アクセス鉄道は、JR豊肥線三里木駅~熊本空港(阿蘇くまもと空港)を結ぶ鉄道新線計画です。実現すれば、熊本駅~熊本空港間が約38分で結ばれます。

熊本空港アクセス鉄道の概要

熊本県は、熊本空港のアクセス改善について検討しています。その方法の一つとして浮上したのが空港アクセス鉄道の建設です。2018年12月に熊本県の蒲島郁夫知事が、熊本県議会本会議の一般質問で、熊本空港アクセス鉄道の建設を進めることを表明。2019年2月21日には、JR九州と基本合意したことを発表しました。

ルートはJR豊肥線三里木駅から分岐し、熊本県民総合運動公園を経由し、熊本空港に至る約10kmです。運動公園付近に途中駅を新設します。

熊本駅~熊本空港の想定所要時間は約38分、1日の利用者数は約6,900人、事業費は約380億円を見込んでいます。詳細なルートなどは決まっていません。

2019年2月の熊本県とJR九州基本合意では、三里木駅と空港までの約10kmを、主に高架線で、一部区間をトンネルで結びます。空港アクセス線の列車は三里木駅で折り返し、豊肥線には乗り入れません。

熊本県が中心となって設立する第三セクターが路線を整備・所有し、JR九州が運行を受託します。JRは第三セクターに出資しません。ただし、豊肥線の利用者増による「根元受益」が見込めるため、建設費の3分の1を上限に、根元利益の範囲で負担します。

JR豊肥線からの分岐駅の候補として、原水駅と肥後大津駅も検討されました。原水分岐の場合、熊本駅~熊本空港の所要時間は約38分、1日の利用者数は約5,900人、事業費は約330億円です。肥後大津分岐の場合は、同約42分、約5,800人、約330億円です。

画像:熊本県

そのほか、モノレールや熊本市電の延伸といった軌道系アクセスも検討されました。しかし、モノレールは事業費が高すぎ、市電は速達性などに難があり、いずれも却下されています。

熊本空港アクセス鉄道の沿革

熊本空港は、熊本市中心部から直線距離で約15kmの位置にあり、地方空港の立地としては市街地から離れています。現在の主たる交通手段はバスで、熊本中心部の交通センターから約50分、熊本空港からは約60分かかります。市街地から空港までのアクセスに時間がかかりすぎるため、以前から熊本市中心部と空港とを結ぶ空港連絡鉄道の整備構想が存在していました。

2004年には実際に空港アクセス鉄道の建設が調査されました。当時の試算では、総事業費を286億円で、採算を取るには1日5,000人の利用が必要と見積もられました。

しかし、当時は1日2,500人程度の利用者が精一杯で、鉄道事業の採算性の確保は難しいとの判断に至りました。2007年度には、鉄道建設計画を凍結。肥後大津駅から熊本空港へシャトルバスを運行して連絡する施策に軸足を移しています。

その後、インバウンド需要の盛り上がりやLCCの隆盛を経て、熊本空港の利用者数は増加。2020年には空港民営化が予定されており、2022年度末には新ターミナルビルも完成します。

こうした状況の変化を受け、熊本県は2018年度にアクセス手段の改善案を再検討。鉄道延伸(事業費330億~380億円)、モノレール新設(2,500億~2,600億円)、熊本市電延伸(210億~230億円)の3案で事業費や所要時間、輸送量などを比較検討しました。

画像:熊本県

その結果として、最終的に鉄道延伸案を採用しました。鉄道延伸案には、三里木分岐、原水分岐、肥後大津分岐の3案がありましたが、利用者数が最も見込める三里木駅分岐案に絞り込み、JR九州との協議を開始しました。

画像:熊本県

事業主体は、県を中心とする第三セクターを想定。国の補助金を受けて線路や駅舎などの施設を整備し、列車の運行をJR九州に委託する計画です。JR九州には、根元受益の範囲内で、整備費の3分の1を上限に負担を求めます。

アクセス鉄道は豊肥線に乗り入れない予定ですが、将来的に乗り入れる可能性については含みを残しています。その場合、豊肥線の線路容量が問題になりますが、空港アクセスの増発目的で複線化する場合は、熊本県が費用を負担します。

熊本空港アクセス鉄道の開業予定時期は未定です。熊本県は2019年度に詳細な調査を行い、2022年度の空港新ビルの完成から「できるだけ期間をあけず」に完成させることを目指しています。現実的には、早くて2020年代半ばになりそうです。

熊本空港アクセス鉄道のデータ

熊本空港アクセス鉄道のデータ
営業事業者 JR九州
整備事業者 未定(第三セクター)
路線名 未定
区間・駅 三里木~阿蘇くまもと空港
距離 約10km
種別 未定
種類 普通鉄道
軌間 1067mm
電化方式 1,500V
単線・複線 単線
開業予定時期 2020年代半ば
備考 --

熊本空港アクセス鉄道の今後の見通し

熊本市内から熊本空港は遠く、バスでのアクセスでは所要時間がかかりすぎるため、鉄道新線は待ち望まれてきました。しかし、2000年代まで、熊本空港の利用者数は伸び悩み、採算性の問題でアクセス鉄道は実現してきませんでした。

しかし、LCCの登場やインバウンドの隆盛により、2010年代半ばから熊本空港の利用者数は増加。今後も多数の利用が見込めることから、鉄道新線の議論が本格化してきました。

背景には、2022年度完成予定の新しい空港ターミナルビルの建設もあります。アクセス鉄道を作るなら、ターミナルビルは駅ホームを考慮した構造にしなければなりません。そのため、作るかどうかの結論を急ぐ必要が出てきて、2018年度に空港アクセス鉄道の構想が再検討されたわけです。

そしてJR九州と基本合意がまとまり、2019年度から詳細調査に入ります。開業予定時期は未定ですが、建設距離は10kmほどで、土地買収もしやす郊外部の路線ですので、建設が決まればそれほど時間はかからないでしょう。熊本県が目標としているのは、「空港ターミナル開業からできるだけ期間をあけない」時期。そのため、2020年度半ばには開業できるかもしれません。

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